この記事は Dialpad のデプロイとマイグレーションを補助する目的で作成されています。デプロイする際の補助資料としてご活用ください。ここではデプロイ時に必要なプロセスを順番に説明します。また Dialpad 管理コンソール上の設定方法とサポートの利用方法についてご紹介します。
1 - ネットワークテスト
Dialpad は既存のネットワーク(無線・有線)上で動作するため、音声品質のためのネットワーク設定と十分な帯域が利用可能であることが重要です。加えて Dialpad のコミュニケーションに必要なすべてのポートが開いており、適切な QoS ルールが設定されていることをご確認ください。
ネットワーク設定の基本的なガイドラインについては、こちらの記事をご覧ください。
Dialpad をデプロイする前に、クイックネットワークテストで Dialpad 通話に問題がないか確認いただくことをおすすめします。
Chrome ブラウザからこちらにアクセスします http://nmt.ubervoip.net/myspeed/dialpadbot.html
テストを開始するには、最初にプラグインをロードする必要があります。
Click to start test ボタンをクリックします
Click to start test をクリックするとポップアップが表示されます。JP-に続けて、御社名、拠点名(必要に応じてロケーション情報)、ネットワーク種別の順に分別可能な文字列を入力してください。この情報により弊社側でレポートを解析します。
例:JP-Example-HQ-Ethernet、JP-YamadaShoten-Osaka-2F-North-WiFi
テストが実施されている間は進捗をリアルタイムで確認できます。このテストでは以下の項目を検証します。
- 帯域幅
- ネットワーク容量
- ルートホップ
- ポート
- ファイアーウォール/ QoS
数分後に接続サマリーが表示されます。各項目のリンクをクリックするとその詳細を確認できます。すべてグリーンライトであれば問題ありません。一部が赤やオレンジのライトがある場合、こちらの資料の2ページ目以降をご確認ください。
MOS (Mean Opinion Score) はコーディックを使って帯域幅を圧縮した際に、転送後に受信側で知覚される音質を5段階で評価したときの平均値です。データフローに直接作用する下位ネットワークを評価し、音声品質の予測および通話時の VoIP 音質の問題を特定するのに適したテストツールです。
2 - サポートするヘッドセット
ネットワークの次に Dialpad アプリの音声品質に最も関連するのはヘッドセットかもしれません。
Dialpad では Plantronics および Plantronics サードパーティソフトウェアをダウンロードして Dialpad と連携した Plantronics コマンドボタンをサポートしています。
Bluetooth
Voyager 8200 UC
Voyager 6200 UC
Voyager 5200 UC
Voyager Focus UC
これらの Bluetooth ヘッドセットを利用するには、Plantronics Hub ソフトウェアを Mac/Windows にインストールして USB アダプタが接続されている必要があります。
USB (有線)
USB Blackwire モデル (片耳または両耳) の UC (ユニファイド・コミュニケーション) モデルをサポートしています。MS バージョン (Microsoft) はサポートしておりません。
その他のヘッドセット
Logitech と Sennheiser はサポートしていますが、USB タイプと、カスタムドライバーを搭載していないモデルのみ対象となります。
3 - サポートするデスクフォン
Dialpad は Polycom および Obihai SIP IP デスクフォンをサポートしています。Dialpad から購入する場合はあらかじめ特定のファームウェアと Dialpad のプロビジョニング用に設定されています。
注1) SIP IP フォンの販売は米国 Dialpad でのみ対応しています。
注2) 日本の販売代理店ソフトバンクでは AudioCodes のみ取り扱っております。
Dialpad がサポートする IP デスクフォンとファームウェア バージョンはこちらの記事をご覧ください。
*Dialpad のサービスは上記リンクに記載されていないその他多くの SIP IP フォン、クライエントおよびアダプターと互換性があります。ご検討されている機器で Dialpad サービスを利用できるかについてのご質問は Dialpad サポートまでお問い合わせください。
4 - デスクフォンの注文(米国およびカナダのみ対応)
日本のお客様においては Dialpad コンソール上でデスクフォンの注文には対応しておりません。販売代理店へご相談ください。
米国とカナダのアカウントでは Dialpad の Web 管理コンソールからデスクフォンを注文できます.
Dialpad.com > Admin Settings > Office > Desk Phones から 'Buy phones or learn more about compatible devices' のリンクをクリックすると注文ウインドウが開きます。
5 - コミュニケーションプラン
マイグレーションとデプロイ時に見過ごされがちであり、しかしスムーズな移行のために最も重要なステップは、社内コミュニケーションとマネージメントプランの変更かもしれません。社内のユーザーに今後の変更を周知し、必要な情報を提供しておくことで、スムースな移行に役立ちます。
例えば、社内周知をする際のタイミングは以下が想定されます:
- マイグレーションプロセスが始まる前
- アカウントプロビジョニングを始める前
- トレーニングセッションに関する情報発信
- Dialpad の利用開始
代表番号やグループのオペレーター、コールセンター、エグゼクティブアシスタントなど追加トレーニングが必要なユーザーに対しては、それぞれの使い方に特化した情報を提供しておく必要があるかもしれません。
デプロイメントが成功した実例では、ある会社ではイントラネットに Dialpad 情報のページを開設して、新規ユーザーが Dialpad を始める際の参照として使っていました。コンテンツはこの後のサポートセクションでご紹介するヘルプセンターを参照先としてご利用いただけます。
ユーザーのサインアップには、テクノロジーに強く Dialpad アプリを進んで利用している上級者を特定しておくことが理想的です。サインアップと初期アカウントセットアップについては、こちらの資料を参考にしてください。
6 - 追加のオフィスを作成
日本の Dialpad アカウントでは、管理コンソールから新規オフィスの追加には対応しておりません。オフィスの追加をご希望の方はサポートへお問い合わせください。
7 - デプロイメント タイムライン & ステップ (タスクリスト)
デプロイメントを開始する時期になったら、デプロイプロセスをいくつかのフェーズに分けて実施するのか、または一度に全てを実施するのか、計画が必要かもしれません。どちらの方法をとるかはその組織のユーザー数と国や拠点などによって異なります。デスクフォンの設置を考えている場合は、プロビジョニングに時間がかかることにご留意ください。どちらの方法においても以下のタスクが必要です:
- Network テストを実施
- ハードウェアを注文 (必要に応じて)
- ユーザーアカウントのプロビジョニング
- ユーザーデスクフォンとデスクフォンのプロビジョニング(必要に応じて)
- 代表番号のルーティング設定
- グループとコールセンターの設定 (必要に応じて)
- オフィス設定
- Voice AI を有効にする (必要に応じて・日本未対応)
- インテグレーションを設定する (必要に応じて)
- PSTN フェイルオーバーを設定する
- ユーザートレーニングを実施
- Dialpad 稼働開始
これら一連のデプロイプロセス期間中は、マネージメント、ユーザーコミュニケーションおよびユーザーの教育に注視する必要があるかもしれません。
ネットワークテストを実施する
詳細は前述の 1 - ネットワークテスト をご覧ください。Dialpad を利用する各拠点において有線と WiFi の両パターンでテストすることをおすすめします。
ハードウェアを注文
詳細は前述の 3 - サポートするデスクフォン をご覧ください。Dialpad がサポートするスペックであればサードパーティーから購入した端末でも動作します。
ユーザーアカウントのプロビジョニング
Dialpad の管理者は、Dialpad 管理コンソールから新規ユーザーの追加や削除が可能です。
*オフィスが複数ある場合、新規ユーザーを追加する際は正しいオフィスに新規ユーザーを作成していることをご確認ください。
[管理者設定] > [オフィス] > [チーム] を選択して [ユーザーを追加] をクリックします。
新規ユーザーを招待する際は、Microsoft Office または G Suite ディレクトリから選択するか、直接 email アドレスを入力して追加することができます。
ユーザーが追加されると、すぐ下のセクションに追加されたユーザーが表示されます。[オプション] では、そのユーザーに付与された電話番号を変更することができます。
[チーム] のページでは、各ユーザーのアクセス権を管理することができます。
詳細については、Dialpad 管理者のチーム管理をご覧ください。
ユーザーデスクフォンとデスクフォンのプロビジョニング
ユーザーデスクフォンとデスクフォンのプロビジョニングは Dialpad 管理ポータルから行います。複数のデスクフォンを設置する際は、正しいオフィスが選択されていることをご確認ください(オフィスが複数の場合)。
始めに、デスクフォンを設定するオフィスを選択して、[オフィス] > [デスクフォン] をクリックします。
このページでは、[ユーザーデスクフォン] と [デスクフォン] のタブを切り替えてそれぞれ設定することができます。ユーザーデスクフォンはアクティベートされているユーザーに紐付けます。デスクフォンは単に呼び出し音が鳴る位置ポイントに過ぎず、クライアントアプリケーションやボイスメールなどの機能は持ちません。
Obihai と Polycom VVX のユーザーデスクフォンの設定方法はこちらの記事をご覧ください。
Polycom VVX については、プロビジョニングを始める前にファクトリーリセットを行ってください。また、ファームウェアのバージョンが 5.6.1.x 以上であることをご確認ください。
その他の SIP フォンをコンフィグする際は、オープン SIP プロトコルで Dialpad に接続できるか確認してください。そのメーカーが提供しているセットアップマニュアルを確認するのも有効です。
代表番号のルーティング設定
オフィスごとにメインの番号が設定されています。この番号は通常、フロントデスクやオフィスの代表番号としてお使いいただけます。
代表番号の設定は、Dialpad.com > [管理者設定] > [オフィス] > [代表番号] を開きます。
代表番号の設定では以下のオプションがあります:
オペレーター・デスクフォン
代表番号にかかってきた電話に応答するユーザーまたはデスクフォンです。代表番号に着信すると、オペレーターには着信通知のポップアップとボイスメールを受け取ることができます。
営業時間&着信処理
代表番号に着信した電話の転送方法、呼び出し方法、応答メッセージやボイスメールメッセージなどを設定できます。
詳細はこちらの記事でご紹介しています。
グループとコールセンターの設定
グループとコールセンターの設定内容は代表番号とほぼ同じです。通常、代表番号はそのオフィスのプライマリー番号となります。
- グループの上限はご契約の SKU により異なります (番号を追加できないとメッセージが表示される場合は担当営業までご相談ください)
- コールセンターはコールセンターのユーザーライセンスが必要です(Talk の場合)
コールセンターオプションは代表番号やグループとは多少異なります。詳細はこちらをご覧ください。
その他の役立つ情報
オフィス設定
[オフィス] > [オフィス設定] では次の項目を管理できます:
- オフィス管理者の追加と削除
- オフィス全体設定 (そのオフィスの全てのユーザーに適応されます)
- エグゼクティブアシスタントのペアリング
Voice Intelligence を有効にする (日本未対応)
Voice Intelligence を有効にするとリアルタイムトランスクリプションにアクセスできます。
- ライブトランスクリプション
- センチメントアナリシス (コールセンター)
- アクションアイテム
- スニペット
- メモ
- 通話後サマリー
カンパニーレベルおよびオフィスレベルで Voice Intelligence を有効にすると、ユーザー個人の番号についても Viが有効になります。
- コーザー個人の番号
- 代表番号
- グループ
- コールセンター
カンパニー全体で Voice Intelligence を有効にするには、[管理者設定] > [カンパニー] で Voice Intelligence のトグルをオンにします。
これでオフィスのユーザー、グループ、コールセンターに対して Voice Intelligence トグルが表示されるようになります。
それぞれのオフィスごとに Voice intelligence のオンとオフを設定したい場合、それぞれのオフィスの [オフィス設定] > [オフィス全体設定] から Voice Intelligence のトグルのオンとオフを設定します。
ユーザー別に Voice Intelligence のオンとオフを設定することもできます。
ユーザーの管理ポータルにログインすると [個人設定] の Voice intelligence のトグルが表示されます。
詳細についてはヘルプセンターの記事をご覧ください。
PSTN フェイルオーバーを設定する
フェイルオーバー番号を設定しておくことで、障害などにより Dialpad が使用不可になった際にその番号に転送されます。
フェイルオーバー番号はすべてのオフィスとグループ番号に対して [詳細設定] から設定できます。
詳細はこちらの記事をご覧ください - フェイルオーバー番号を設定する
ユーザートレーニングを実施
ユーザーが十分にトレーニングを受けていることが、スムーズに Dialpad へ移行するための一番重要なキーになります。ユーザーによっては異なるトレーニングが必要になるかもしれません。
- ユーザーガイド、録画、実地研修など、管理者はどの方法がトレーニングに効果的かお考えください。
- ユーザーのタイプ(一般的なユーザー、エグゼクティブアシスタント、グループやコールセンターのオペレーター)によって必要なトレーニングが異なります。
ヘルプセンターに掲載されているコンテンツ、記事、ビデオ、FAQ もトレーニングにお役立てください。
Dialpad 稼働開始
いよいよ実際のビジネスで Dialpad を使う準備が整いましたら、次の点にご留意ください。
- すべての Dialpad ユーザーアカウント、デスクフォン、グループの設定が完了していることをご確認ください。
- Dialpad への移行に際してチーム内で共有すべき注意点があれば、事前にチームでコミュニケーションをとってください。
- 着信時のルーティング設定を事前にテストしてください。
- ボイスメールメッセージや応答メッセージを必要に応じて設定してください。
Dialpad 稼働後は、特に代表番号や重要なグループ番号について、ルーティング設定や発信者番号の設定に問題がないかダブルチェックされることをおすすめします。
8 - サポート利用方法
利用開始後にサポートが必要な場合、まず最初に見ていただきたいのは Dialpad ヘルプセンターです。ヘルプセンターには豊富なコンテンツ、ビデオ、チュートリアル、FAQ、ナレッジが蓄積されています。
サポートに問い合わせる
ヘルプセンターから右上のお問い合わせボタンをクリックするとサポートのウェブフォームが立ち上がります。
詳細な情報をサポートに提供してください
問題の迅速な解決のためには、第一報時にできる限り詳細な情報をサポートに提供してください。
音声品質または通話に関する問題:
- 問題が発生しているユーザーのメールアドレスおよび050番号
- 問題が発生した通話情報。具体的には、①発信なのか着信なのか ②通話の正確な日時(月/日 時:分)これらの情報は通話を特定して検証するために最低限必要な情報です。通話は48時間以内に発生したものであることにご注意ください(48時間を経過すると検証が難しくなります)。
アプリや管理コンソールに関する問題:
- 問題の全容・サマリー
- 問題が生じているユーザーの利用環境
- アプリケーションログ:デスクトップアプリ上で右クリック > send logs をクリック
- デバックログ:モバイルアプリ > 設定 > デバッグログを送信をクリック
※ログを送信した際は、送信日時(月/日 時:分)をサポートチームまでお知らせください。