ネットワークベストプラクティス

Dialpad はクラウドベースのビジネス電話システムで、インターネット接続が確保できれば、同じアカウントログインで世界中どこでも通話できるほか、連絡先の管理、通話記録やボイスメールの取得、電話の転送など場所を選ばずに利用できます。

移動中であっても、安定したインターネット接続があれば、モバイルアプリなどに端末を変えて、同じ環境にアクセスして通話をご利用いただけます。

このヘルプ記事では、ネットワーク設定の詳細についてご案内します。

帯域幅

ベストな音声品質には、ハイスピード DSL、ブロードバンド、光ファイバー接続をお勧めします。こちらは、デスクフォン、Dialpad デスクトップソフトウェア、Dialpad ウェブアプリ、CTI/ミニダイヤラー (Salesforce CTI、Chrome CTI Extension など)の利用時に当てはまります。

アプリ利用インスタンスごとに:

  • 音声通話:最低100kb/秒 (アップストリーム/ダウンストリーム )

    • モバイル音声通話:4G以上(または同等のWifi接続)

Tip

安定した音声品質を確保するため、Dialpadオフィスと、主な顧客ベースの電話番号を一致いただくことを推奨します。

同じ国や地域内での通話は、一般的によりよい音声品質を実現し、シームレスなカスタマーエクスペリエンスにつながります。

例えば、主に米国に顧客を持つ米国拠点のカンパニーは、米国の電話番号を使用することで、より良い音声品質を得られます。

ルーター、スイッチ、ファイアウォール

以下の情報を参考にして、VoIPサービスのWiFiネットワーク環境を最適化してください。

  • QoS

  • 帯域制限

  • SNMP

また次の機能がオフになっていることを確認してください。これらの機能を無効にできない場合、Dialpad カスタマーサービスまでお問い合わせください。

  • SIP-ALG

  • Deep Packet Inspection (DPI)

  • Stateful Packet Inspection (SPI)

ステートフルファイアウォールとステートフル パケットインスペクション (SPI) について

ステートフルパケットインスペクション (SPI) は、ファイアウォールやルーターの設定オプションで、無効に設定することを推奨しています。

これに対して、ステートフルファイアウォールは、ステートレスファイアーウォール等と比較されるファイアーウォールの1タイプです。Dialpadでは、ステートフルファイアウォール設定を推奨しています。

VPN

Dialpadでは VPN 環境での利用は推奨しておりません。会社で VPN を使っている場合は、スプリットトンネリング にて VPN の外に Dialpad のトラフィックを設定してください。

VLAN

仮想LAN (VLAN) は、有線接続された電話機を2つの違うネットワークで利用することで、セキュリティとルーティングポリシーを別々に管理することができます。 IP電話の設置を検討する場合は、”音声 VLAN”として利用可能です。また、QoSポリシーをデバイスにセットすることも可能です。

音声VLANは、Dialpad のネットワーク要件ではありませんが、セキュリティ、DHCP、ルーティング、QoS/CoSを設定するためのベストプラクティスとして、音声VLANを使用することができます。

Note

IP フォンを通してワークステーションがデイジーチェーン接続されている場合、音声 VLAN 設定が必須です。

DHCP オプション 160

デスクフォンが設定されている各Voice VLANについて、次のURLでDHCPサーバーを設定してください。https://prov.dialpad.com

URLの設定を完了後、デスクフォンを正しいVoice VLANに設置し、以下を構成します。

  • CDP

  • LLDP

  • Auto VLAN Discover

  • Static Assignment

nw_deskphone_diagram.jpg

複数インターネット回線

複数インターネット回線をご利用の環境下では、プライマリー/フェイルオーバー設定を推奨しています。ご不明点があれば、カスタマーサービスまでご連絡ください。

DNS

Dialpad デバイスは、通話の発着信、ボイスメールの確認、連絡先ディレクトリへのアクセスなどの電話機能に DNS を使用しています。

Dialpad のデスクフォンや ATA デバイスは、自動的に Google の DNS IP アドレス(8.8.8.8 及び 8.8.4.4)を使用するように設定されています。これにより、デスクフォンや ATA などのデバイスで DNS を手動で設定したり、DHCP オプション6を使用したりする必要がありません。

異なる DNS プロバイダーをご利用の場合、以下のセクションに記載されているすべての FQDN を解決できる必要があります。Dialpad システムがデバイス上で DNS を自動設定できるようにすることを推奨します。


FQDNs

FQDN (Fully Qualified Domain Name) は、ルーティング、セキュリティー、システムメンテナンスと遠隔デバイスマネジメントにおいて柔軟なクラウドネットワーキングを可能にします。

Dialpad が使用する FQDNs の用途:

  • レジスター

  • コールをセットアップする SIP リクエスト

  • デバイス ファームウェア の管理

  • デバイス コンフィグレーションの管理

  • 遠隔デバイスの管理

Dialpad がベストプラクティスとして推奨する、許可しておくとよい FQDNs (to/from) :

  • *.dialpad.com

  • devpfs.obitalk.com

  • storage.googleapis.com

  • ubervoice.ubervoip.net

  • turn.ubervoip.net

  • stun.l.google.com

  • uvwss.ubervoip.net

  • legacy.dialpad.com

  • dialpadcdn.com

  • static.dialpadcdn.com

  • prov*.dialpad.com

  • google-public-dns-a.google.com

  • google-public-dns-b.google.com

  • *.pusher.com

  • *.googleusercontent.com

  • *.ymcs.yealink.com

  • *.yealink.com

  • realtime.push.dialpad.com

  • realtime2.push.dialpad.com

  • realtime3.push.dialpad.com

  • *.dialpad.net

ポートとプロトコル

Dialpad の通話とアプリケーションで使用される、プライベートネットワークのポートおよびプロトコルは以下の通りです。アウトバウンド ポート コンフィグレーションは、下のテーブルの右側に記載されている Destination Port のトラフィックをファイアーウォールで許可する必要があります。

Dialpad のデプロイにはステートフル ファイアーウォールを推奨します。ステートフル ファイアーウォールはアウトバウンドからのトラフィックに対して自動的に解放するため、インバウンド ポート コンフィグレーションは不要です。

デスクトップネイティブ、モバイル、ブラウザアプリケーション

タイプ

プロトコル

ドメイン

ポート

Product features (images, social profiles etc)

HTTPS (TCP)

*.dialpad.com
*.dialpadcdn.com

443

Messaging

HTTPS (TCP)
WSS (TCP)

*.dialpad.com
*.ubervoip.net
*.pusher.com

443

Transport

UDP and TCP

*.dialpad.com
*.ubervoip.net

5060, 7060

Call Signaling

WSS (TCP)
SIP/TLS (TCP)

*.dialpad.com
*.ubervoip.net

443, 5061

Call Media

SRTP (UDP)

ドメイン・IP指定なし

16384 to 32768

Customer Media (contact, avatar and MMS images)

HTTPS (TCP)

ドメイン・IP指定なし

443

STUN

UDP

stun.l.google.com

19301 to 19302

TURN

UDP and TCP

turn.ubervoip.net

443

Server Discovery

DNS (SRV records)

google-public-dns-a.google.com

google-public-dns-b.google.com

53

デスクフォン - Poly, Obi-Edition, UCS, Yealink, Mitel, Grandstream

タイプ

プロトコル

ドメイン

ポート

Provisioning

HTTPS (TCP)

*.dialpad.com

443

Transport

UDP and TCP

*.dialpad.com
*.ubervoip.net

5060, 7060

Call Signaling

SIP/TLS (TCP)

*.dialpad.com
*.ubervoip.net

5061

Call Media

STRP (UDP)

ドメイン・IP指定なし

16384 to 32768

Poly Device Management System (PDMS)

TCP/UDP

*.obihai.com
*.obitalk.com
*.polycom.com

443, 10000 to 20000

Firmware Downloads

TCP

*.dialpad.com
downloads.polycom.com
storage.googleapis.com

80, 443

Network Time Service

NTP (UDP)

pool.ntp.org
time.google.com

time2.google.com

123

Directory Services (LDAP)

TCP

*.dialpad.com

389

Yealink リモートプロビジョニングサービス (RPS)

TCP/UDP

*.yealink.com

443

Yealink Management Cloud Service

DM and HTTPS

*.ymcs.yealink.com
*.yealink.com

443, 8110, 8443, 8445, 8446

Grandstream Device Management Service

TCP

firmware.grandstream.com
*.gdms.cloud

443, 8443

Mitel Redirection and Configuration Service (RCS)

TCP/UDP


rcs.mitel.com


443


ジッター、パケットロス、遅延

安定した音声品質維持のため、Dialpad では以下の値を推奨します。

最適値

  • ジッター:40 ミリ秒以下

  • パケットロス2 % 以下

  • ラウンドトリップ遅延125 ミリ秒以下

許容値

  • ジッター100ミリ秒以下

  • パケットロス5 % 以下

  • ラウンドトリップ遅延200ミリ秒以下

ネットワークテストと結果分析については、こちらの記事をご参照ください。

仮想環境

仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)は、デスクトップ環境および関連のアプリケーションソフトウェアを、それにアクセスする物理クライアントデバイスから分離するサーバーベースのコンピューティングモデルです。

Dialpad は、お客様と合意した計画に基づき、一部の仮想環境をサポートしています。また、 Azure Virtual Desktop (AVD) に対応しており、ユーザーは安全なクラウドベースの環境内でコミュニケーションツールにアクセスできます。

こちらのフォームにご記入いただくことで、お客様の環境に関する情報を提供し、手続きを開始します。フォームの記入およびリクエストへの対応は英語のみになりますので、ご了承ください。仮想環境は大きく異なる場合があるため、十分なサポートが難しい場合がございます。

Note

Dialpad は、ネイティブアプリまたはウェブアプリでの利用をサポートしています。

仮想環境をご利用の場合、事象を非VDI環境で再現する必要があります。事象が非VDI環境で再現できない場合、該当する仮想化ベンダーのプロダクトサポートチームに報告するようお願いすることがあります。

なお、VDI 環境でDialpad のデスクトップアプリまたはウェブアプリを起動した結果、パフォーマンスに関する問題が発生した場合、それは当社プロダクトやプラットフォームに起因するものとは見なされません。

非サポート環境

Dialpad は以下環境での利用をサポートしません。

  • リモートデスクトップクライアント (RDPs)