有線接続
通常、有線接続は最も良い接続環境です。 ネットワークスピード要件に適したケーブルを使用するようにしてください。
確認事項:
- ケーブルやポートの問題を切り分けするため機器のエラーカウンターを常に監視してください。
- 機器のネットワークスピードに適したケーブルを選択してください。
ワイヤレス接続
以下で述べる問題は VoIP と Wi-Fi に関するトラブルシューティングでよく見られます。すべての解決法を網羅しているわけではありませんが、ホームネットワークや社内 LAN にかかわらず共通して言えることは、問題切り分けを実施して関連性の低い要因を排除していき、原因となりうる要因を特定することが重要です。
物理的障害
Wi-Fi は電波信号 (無線周波) であるため、物理的障害物により電波干渉が生じます。一般的な物理的障害とWi-Fi を含む電波信号への影響は以下の通りです:
- 金属、コンクリート、石:殆どの電波信号を完全に反射する(電波を通さない)
- 石膏ボード:無線周波には殆ど影響しないまたは全く影響しない
- ガラス:電波の回折特性(障害物を回り込む特性)により、周波数が低いと回り込んだり反射して遠くまで届きやすく、周波数が高いと直進性が強くなり障害物の影響を受けやすくなる
- 木材:影響は木材の種類による
- ベニヤ合板やバルサムのような薄くて柔らかい木材は Wi-Fi 電波干渉を受けにくく電波を透過する
- オークのような固い木材は Wi-Fi 電波信号を吸収して、電波強度とスループット (ネットワークが処理できるデータ量) をデグレードする
Wi-Fi の設置に物理的障害を考慮することは容易ではないかもしれませんが、これらが及ぼすネットワークへの影響を知っておくことは重要です。もしあなたが VoIP の問題を抱えているなら、Wi-Fi ルーターからあなたのデバイスまでの電波経路を想像してみてください。無線周波に影響を及ぼす物質はありませんか?電波信号を反射する窓がたくさんありませんか?
すでに Wi-Fi ルーターやあなたのデバイスを電波の届きやすい位置に移動する必要性にお気づきになったはずです。
よくある質問
Wi-Fi 電波強度と信頼性に係るその他の要因は、隣接チャネルの輻輳にあります。最近のルーターはローカルチャネルをスキャンして最も小さいチャネル番号を使用するようにサポートされていますが、これがしばしば期待通りに動かない場合があるかもしれません。
隣接する無線周波の影響を受けないようにする一番の方法は、スキャナーを使って今自分が使っているチャネルが他のネットワークでも使われていないか確認することです。これにはルーターに実装されているスキャナーソフトウェアを利用するか、WiFi Analyzer のようなアプリを利用してチャネルの状態を確認してください。
同一チャネルに多数のネットワークが存在する場合または同一チャネルに非常に強い2、3のネットワークが存在する場合は、混雑したチャネルとみなされます。例えば同一チャネルに2つのネットワークが存在しておりそれぞれの電波が強い場合でも、電波干渉が生じます。
電波干渉を回避するために、ほとんどのルーターではチャネル変更が可能です。チャネルを切り替えるだけで通信環境が劇的に改善する場合があります。
電磁波妨害 (Electromagnetic Interference、EMF)
物理的障害が Wi-Fi トラブルシューティングの一番の変動要因ですが、強い電磁波を持った他の電化製品も Wi-Fi のパフォーマンスに影響を与えます。 他の電化製品から放たれる無線周波が互いに干渉して壁を作り、無線信号をブロックまたはデグレードする恐れがあります。
EMF は Radio Frequency interference (無線周波妨害) と呼ばれることもあります。
これらの妨害を特定することは難しいように見えますが、アプリケーションを使って特定が可能です。スマートフォンの App Store にはさまざまな無線干渉の探知アプリがあります。”Electromagnetic field (EMF) detectors” で検索してみてください。これらのアプリは、スマートフォンのビルトインセンサーを使い、周辺電化製品から放出される強い電磁波を検波します。
妨害している電化製品を特定できたら、その電化製品、あなたの無線デバイス、または Wi-Fi ルーターのいずれかを最適な場所に移動します。単にあなたのラップトップパソコンを別の場所に移動させることで改善する場合もあります。
Wi-Fi 通信規格
ネットワークへの影響で見落とされがちなのは WiFi の通信規格です。現在米国 (日本も同様) では IEEE 802.11a/b/g/n/ac が利用可能です。ほとんど全ての無線アンテナでは同時に一つの規格しか使えません。
すべてのデバイスが同じ通信規格を使用していれば接続への影響はありません。例えば複数のデバイスで IEEE 802.11ac または IEEE 802.11n を使用しているときに、そのうちひとつでも IEEE 802.11g を使用すると、すべてのデバイスが接続の信頼性低下とスループット低下の影響を受けてしまいます。(これは、最新のデバイスでより高度な通信規格を使い優れた通信技術を享受する機会を失う原因にもなっています。)
この問題を回避するには、自分の VoIP デバイスの通信規格とネットワーク上のすべてのデバイスの通信規格を同じものにしてください。
周波数帯
上述すべてにおいて、Wi-Fi 接続にどの周波数帯を使うのかを考慮する必要があります。周波数帯は VoIP において特に重要です。VoIP は他のインターネット接続機器よりも、とりわけ高速で安定したインターネット接続に依存します。2.4 GHz と 5 GHz のどちらでも利用可能です。多くの人は 5 GHz の方が良いと信じている傾向がありますが、どちらの周波数帯にもメリットとデメリットがあります。利用環境に応じて最適な周波数帯を選択してください。
低い周波数はバンドが小さい分広範囲に届きますが速度も低下します。それぞれの違いは以下の通りです:
- 2.4 GHz
- 干渉を受けにくい
- 遠くまで届きやすい
- 通信速度が低下しやすい
- 5 GHz
- 干渉を受けやすい
- 通信距離が短い
- 通信速度の向上が期待できる
使用する周波数帯を決める際は、EMFや物理的障害または通信規格など、ネットワークに影響を及ぼすすべての要因を再検討する必要があります。
バンドステアリング
最新の多くのデュアルバンド Wi-Fi にはバンドステアリング機能が実装されています。デュアルバンド Wi-Fi では 2.4 GHz と 5 GHz の両方の周波数帯を同時に利用できますので、5 GHz 帯に対応していない古いレガシーデバイスを 2.4 GHz 帯で通信させることが可能になります。
ルーターが 2.4 GHz と 5 GHz をサポートしているが SSID が一つしかない場合は、バンドステアリングを使います。SSID は WiFi ネットワークの名前です。
一般的なインターネットアプリケーションではバンドステアリングが便利ですが、VoIP を使う場合は注意が必要です。5 GHz 帯の方がキャパシティは大きいですが、上記で述べたように必ずしもそれがベストな通信環境とは言えません。VoIP は安定した強いインターネット接続を必要とします。バンドステアリングを使う前に、ネットワークに影響する要因すべてを考慮する必要があります。
帯域幅
ベストな音声品質には、ハイスピード DSL、ブロードバンド、光ファイバー接続をお勧めします。 最小上り・下り帯域幅は 100 kilobits/sec です。
ルーター、スイッチ、ファイアウォール
以下の情報を参考にして、VoIPサービスのWiFiネットワーク環境を最適化してください。
- QoS
- 帯域制限
- SNMP
また次の機能がオフになっていることを確認してください。これらの機能を無効にできない場合、Dialpadサポートチームまでお問い合わせください。
- SIP-ALG
- Deep Packet Inspection (DPI)
- Stateful Packet Inspection (SPI)
複数のインターネット回線
複数のインターネット回線を使用している場合のベストプラクティスは、プライマリとフェイルオーバーを設定することです。
VPN
Dialpad は VPN で動作しません。会社で VPN を使っている場合は、tunnel を分けて VPN の外に Dialpad のトラフィックを設定してください。
VLAN
仮想LAN (VLAN) は、有線接続された電話機を2つの違うネットワークで利用することで、セキュリティとルーティングポリシーを別々に管理することができます。 IP電話の設置を検討する場合は、”音声 VLAN”として利用可能です。また、QoSポリシーをデバイスにセットすることも可能です。
音声VLANは、Dialpad のネットワーク要件ではありませんが、セキュリティ、DHCP、ルーティング、QoS/CoSを設定するためのベストプラクティスとして、音声VLANを使用することができます。
QoS
サービス品質はルーターの機能に左右されます。下記はプライオリティレベル(highest, high, low, など)と共に、プロトコルとポートに基づく一般的なガイドラインです。
特定のルールは、誤まって高優先としてフラグされたパケットを除外して、より良いトラフィックルールを定義します。
ルーターはアプリケーション (RTP/SIP) 、アプリケーションと (UDP の上の RTP) ポート、または送信先ポート・送信元ポート・アプリケーションの組み合わせにより QoS を決定します。Dialpad の音声トラフィックは次の DSCP 値をマーキングしてください:
- DSCP 46 = RTP Traffic
- DSCP 26 = SIP Traffic
FQDNs
FQDN (Fully Qualified Domain Name) は、ルーティング、セキュリティー、システムメンテナンスと遠隔デバイスマネジメントにおいて柔軟なクラウドネットワーキングを可能にします。
Dialpad が使用する FQDNs の用途:
- レジスター
- コールをセットアップする SIP の交換
- デバイス ファームウェア の管理
- デバイス コンフィグレーションの管理
- 遠隔デバイスの管理
Dialpad がベストプラクティスとして推奨する、許可しておくとよい FQDNs (to/from) :
- dialpad.com
- www.obitalk.com
- www1.obitalk.com
- prov.obitalk.com
- devpfs.obitalk.com
- storage.googleapis.com
- ubervoice.ubervoip.net
- turn.ubervoip.net
- stun.l.google.com
- uvwss.ubervoip.net
- legacy.dialpad.com
- dialpadcdn.com
- static.dialpadcdn.com
- prov*.dialpad.com
ポートとプロトコル
Dialpad の通話とアプリケーションで使用される、プライベートネットワークのポートおよびプロトコルは以下の通りです。アウトバウンド ポート コンフィグレーションは、下のテーブルの右側に記載されている Destination Port のトラフィックをファイアーウォールで許可する必要があります。Dialpad のデプロイにはステートフル ファイアーウォールを推奨します。ステートフル ファイアーウォールはアウトバウンドからのトラフィックに対して自動的に解放するため、インバウンド ポート コンフィグレーションは不要です。
デスクトップネイティブ、モバイル、ブラウザアプリケーション
Poly デスクフォン (Obi-Edition & UCS)
非サポート環境
Dialpad は以下環境での利用をサポートしません。
- 仮想マシーン (VMs)
- 仮想デスクトップインターフェース (VDIs)
- リモートデスクトップクライアント (RDPs)