アナリティクスは、さまざまなデータ分析を意味する総称です。
情報の分析により洞察を高め、トレンドや集計など他のツールでは発見が困難な傾向や指標を把握することができます。
本記事では、Dialpad アナリティクスのキーコンセプトをご案内します。
コール vs コールレッグ
コールは発信者 (通話の発信側) から着信先 (通話の着信側) までの経路と定義します。発信者の端末 (デスクトップアプリ、モバイルアプリ、デスクフォンなど) から発信し、着信先はさまざまな端末で応答することができます。
コールレッグは、2つの端末間の通話の一部で、各通話には複数のコールレッグが生成されます。コールには全通話時間が集計されますが、コールレッグは通話の特定のセグメントのみを集計します。
以下の通話を例とすると、営業コンタクトセンターでの着信は、まず山田さんが不在着信となり、次に佐藤さんも不在着信、最後に高橋さんが通話応答しました。それぞれの処理はファンアウトと呼ばれ、各ファンアウトはそれぞれ一つのコールレッグとなり、それぞれが組み合わされることにより、営業コンタクトセンターへのコールを構成します。こちらのコールでは最終的に高橋さんが応答したため、応答済みと認識されます。
Note 各コールレッグはそれぞれがコールとして認識されますが、コールは通話で発生したコールレッグの一連の流れをまとめたものになります。 |
ターゲット
ターゲットとは、Dialpadオフィスに属し通話を受信できるエンティティのことです。
ターゲットは、主に次の2タイプに分けられます。
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ブリッジターゲット:電話番号が割り当てられた発着信ができるターゲット
- ユーザーグループ:ユーザーターゲットのグループ
以下、各ターゲットの定義をご参照ください。
ブリッジターゲット
- ユーザー (User):Dialpad にログインし発着信を行うDialpad アカウント
- ルーム (Room):物理的な電話機(デスクフォン)。メールアドレスとパスワードによるログイン認証で発着信を実行できるユーザーターゲットには紐付かないデスクフォン
ユーザーグループターゲット
- スタッフグループ (StaffGroup):特定のユーザー (主) のエクゼクティブアシスタントグループ。主ユーザーへの着信はアシスタントへおくられる。グループなどの共有番号と同様に、着信はエクゼクティブとアシスタントの両者に送られる。アシスタントは StaffGroup に所属する。
- コーチンググループ (CoachingGroup):コーチと定義されたユーザーターゲットのグループで、トレイニーと定義された個人ユーザーターゲットに対比する。グループには管理者がコーチとして所属し、オペレーターは所属できない、トレイニーに着信すると、コーチはトレイニーの通話を聞きコーチングする事ができる。コーチンググループには IVR 機能はない。
- コーチングチーム (CoachingTeam):コーチ、トレイニーと定義されたユーザーグループを指す。コーチンググループ、あるいはコーチングチームに着信があると、コーチはトレイニーの通話を聞くことができる。コーチはチームにト:イニーを追加、削除でき、トレイニーのコーチングすることが可能
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IVR グループ (IVR Group) : IVR設定ができるユーザーターゲットのグループ。以下ターゲットタイプを含む:
- オフィス (Office):カンパニーに所属するユーザーの集合体。各ユーザーは一つのオフィスに所属し、各オフィスは一つのカンパニーに所属する。カンパニーは概念であり、直接通話をすることはできない。各カンパニーには、プライマリオフィスがあり代表番号が割り当てられる。
- グループ (Department):ユーザーグループ (オペレーターとも呼ぶ)。グループは常にひとつのオフィスに所属する。グループオペレーターに勤務中データは取得されず、オペレーターに対応可能/勤務外ステータスは適用されない。
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グループ・ルーティングオプション
[オペレーター]- 最長待機:待機時間が長いエージェント順に呼び出す
- 固定順:指定された順番にエージェントを呼び出します。優先順位は変動しない
- ラウンドロビン:オペレーターをローテーションで呼び出す。応答したオペレーターはリストの最後位に移動し、同じユーザーに着信し続けることを回避し、オペレーター間の着信数を均一化
- 一斉鳴動:すべてのエージェントを同時に呼び出す
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[その他のルーティング]
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- ボイスメールへ直接送る
- 事前録音したメッセージを再生
- Dialpadユーザー、デスクフォンへ転送
- 別のグループ、オフィス、コンタクトセンター、Geo、ルーター編転送
- 自動応答 (IVR) メニューへ送る
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- コンタクトセンター (CallCenter):ユーザーグループ(エージェントとも呼ぶ)。コンタクトセンターは常にひとつのオフィスに所属する。コンタクトセンターにはグループ機能に追加して、以下機能を提供します。
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保留キュー
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所属エージェント数に上限値なし
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対応可能/勤務外ステータスにて勤務中データを取得する
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- コンタクトセンター (CallCenter):ユーザーグループ(エージェントとも呼ぶ)。コンタクトセンターは常にひとつのオフィスに所属する。コンタクトセンターにはグループ機能に追加して、以下機能を提供します。
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コンタクトセンタールーティングオプション
[オペレーター]- 最長待機:待機時間が長いエージェント順に呼び出す
- 固定順:指定された順番にエージェントを呼び出す。優先順位は変動しない
- ラウンドロビン:オペレーターをローテーションで呼び出す。応答したオペレーターはリストの最後位に移動し、同じユーザーに着信し続けることを回避し、オペレーター間の着信数を均一化
- スキルベース:管理者が設定したスキルで、高いスキルのエージェント順に呼び出す
- ランダム:着信の都度ランダムにエージェントを呼び出す
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[その他のルーティング]
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- ボイスメールへ直接送る
- 事前録音したメッセージを再生
- Dialpadユーザー、デスクフォンへ転送
- 別のグループ、オフィス、コンタクトセンター、Geo、ルーター編転送
- 自動応答 (IVR) メニューへ送る
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マルチターゲット
アナリティクスでは、以下の条件とオプションにて、複数のターゲットを一括指定してフィルタリングできる。
- 複数グループ、コンタクトセンター、代表番号
- 複数コーチングチーム
- 複数コーチンググループ
- 複数ユーザー (グループの指定あり/なし)、ルーム
- 単一のオフィス、あるいはカンパニー
- グループ、コンタクトセンター、代表番号は複数選択が可能。
社内/社外通話 (Internal vs External Calls)
通話は社内通話、社外通話に定義されます。
社内通話 (Internal Calls) は、同じオフィス内の2人の Dialpad ユーザー間の通話です。
社外通話 (External Calls) は、Dialpad ユーザーとDialpad 外部の相手との通話です。
💡 Note: 社内通話は、1) 発信ユーザーからの発信、2) 受信ユーザーへの着信、の2つの通話として認識されます。 |
着信 vs 発信 (Inbound vs Outbound)
すべての通話は、着信、あるいは発信通話として分類されます。
着信 (Inbound Calls) は、外部キャリアから発信され Dialpad にかかってくる通話です。
発信 (Outbound Calls) は、Dialpad システムから発信する通話です。
通話の種類
通話は以下4つのタイプに分類して情報を把握し、正確なレポーティングを実行します。
- 直通電話
- オペレーター通話
- 手動転送通話
- 自動転送通話
直通電話は、Dialpad 個人番号への通話です。通話相手と Dialpad ユーザー間で1通話を生成します。
オペレーター通話は、カンパニー上に作成されたグループ、代表番号、コンタクトセンターへの通話です。以下2つの通話を生成します:
- エントリーポイント通話:発信者とコンタクトセンター間の通話
- オペレーター通話:発信者と通話に応答したオペレーター間の通話。着信先に複数のオペレーターが所属する場合には複数のオペレーターに対するコールレッグが生成されます。
手動転送通話は、通話転送時、もとの通話を終了し (切電)、転送先への新規通話が生成されます。元の通話のコールレッグは終了し、新規発信通話が開始されます。新規発信により2人目のユーザーを呼び出し、ユーザーが応答することにより元の発信者からの会話を継続します。
自動転送通話は、元の通話が自動転送や IVR によって新しい着信先に自動転送される通話です。元の通話のコールレッグは終了し、新規発信通話を開始します。新規発信は2人目のユーザーを呼び出し、ユーザーが応答することにより元の発信者からの会話を継続します。
未応答の転送は、以下に4つの内訳です。
- ルーター転送:発信者の市外局番に基づき転送された通話
- 自動転送:他のオフィス、コンタクトセンター、グループ、ジオ・ルーター、チームメンバー、ルームフォンに自動転送された通話
- 転送:デスクフォンから別の番号へ転送された通話
- DTMF 転送:自動音声メニュー (IVR) 経由で転送された通話
通話の構造
通話は、着信、発信によりそれぞれのフェーズを経て、Dialpad のエコシステムを行き来します。
- 通話開始: 通話が着信した、あるいはDialpad により通話が生成された日時
- 応答メッセージ/IVR:エージェントに接続する前に再生されるカンパニー、グループ全体での応答メッセージ。発信者へ再生される。
- 保留キュー時間:発信者が利用可能なエージェントに接続する前にキューで待機する時間
- 鳴動時間:ルーティング設定に従い、着信者が電話に応答するまでの時間
- 通話接続:発信者とエージェントが接続された時間。通話は手動で保留することも可能。
- 通話終了:通話相手、エージェントが通話を終了。
- ラップアップ:通話終了後、新規通話を開始するまでのバッファ時間
着信の通話フロー:
- 通話開始
- 応答メッセージ/IVR
- 保留キュー/鳴動時間
- 通話接続
- 通話終了
- ラップアップ
発信の通話フロー:
- 発信開始
- 鳴動時間
- 通話接続
- 通話終了
- ラップアップ