AI ライブコーチカードとカスタムモーメントのベストプラクティス

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AI ライブコーチカードとカスタムモーメントは 、カスタマーサポート、セールス、コンタクトセンターのエージェントや担当者のオンボーディングに非常に役立ちます。

コンタクトセンター AI が顧客の感情を検出し、通話中に言及されたフォローアップタスクを特定するには、正確な通話文字起こしが不可欠です。

ここでは、ライブコーチカードカスタムモーメントを最大限に活用するためのベストプラクティスをご紹介します。

ベストプラクティス

トリガーフレーズを作成する際は、次の 4 つのポイントを考慮してください:

  1. 短く簡潔に

    • ライブコーチカードは、通話中にポップアップ表示されるよう設計されています。エージェントが素早く情報を読めるよう、できるだけ簡潔に保ち、会話の流れを妨げないようにします。

  2. 重要情報を最初に

    • カードが画面に表示された際、担当者が必要な情報を探す時間はないため、最も重要な情報を最初に配置します。

  3. リンクを活用

    • 担当者に関連情報を共有する最適の方法はリンクです。重要な内容の後にリンクを配置します。

  4. カードをトリガーできるのは顧客だけではない

    • カードはエージェントの発言によってもトリガーされるように設定できます。必要に応じてチートシートのように活用できるよう、柔軟に設定できます。

トリガーフレーズの有効性

AI ライブコーチカードとカスタムモーメントは、エージェントまたは顧客 (あるいは両方) が発話したトリガーフレーズによって作動します。正しいトリガーフレーズが設定されていないと、カードはまったく表示しないか、誤った文脈で表示してしまいます。

有効なカードを作成するためのポイント:

  1. 正確性

  2. バリエーション

  3. カードの言語とトリガーフレーズの言語が一致していること

以下の例をご覧ください。

よくない例 ❌

改善例 ✅

マネージャー (短すぎる)

マネージャーに確認します

アプリ非対応 (不自然な表現)

アプリが対応していない

事故 (同義語を追加)

事故、衝突、交通事故、暴走、自動車事故

正確性

トリガーフレーズの正確さは非常に重要です。フォーマットに沿っていない場合はトリガーされません。  

  • カードが誤った文脈で表示されないよう、一般的すぎるフレーズは避けます

  • 関連する文脈で動作しなくなるので、特定すぎるフレーズも避けます

  • 実際の会話で使われる自然な表現を使います

  • カードの言語とトリガーフレーズの言語を一致させます

スペル

スペルが重要です。トリガーフレーズは正確に綴れられていなければ、文字起こしで認識されません。

短すぎるフレーズ

トリガーフレーズが短すぎると誤検出が増えます。

例:

  • マネージャーに確認

このフレーズをマネージャーに確認が必要な場面でカードのトリガーに設定した場合、または 「マネージャーの介入」 カスタムモーメントの一部である場合、「それについてはマネージャーに確認する必要はない」のような否定文でも表示される可能性があります。

長すぎるフレーズ

トリガーフレーズは短くて簡潔にすることが重要です。 例えば、「マネージャーに確認いたしますので少々お待ちいただけますか」のように長すぎるフレーズを使用すると、「マネージャーに確認いたします」ではカードが表示されません。

シンプルで、文脈を正しくカバーできるフレーズは理想的です(例:「マネージャーに確認いたします」)。適切なトリガーフレーズは、文脈外での表示を防ぎつつ、多くの関連シナリオに対応できるように設計します。

自然な会話

トリガーフレーズは、自然な会話の流れに近いものであるほど効果的です。  

たとえば、価格に関するカードを作成する場合、次のようなトリガーフレーズを含めると良いでしょう:

  • 価格はどのくらい

  • いくら請求されますか

  • どのくらいかかりますか

一方で、次のような表現は避けます:

  • 価格の議論

また、文法的に誤っているトリガーフレーズのカードは正しいタイミングで表示される可能性が低いです。

ただし、あまりにも形式的すぎる表現にしてしまうのもよくありません。 実際の会話と異なる言い回しではカードはトリガーされません。

たとえば、「アプリ不具合」というフレーズはコールセンターなどで一見有効そうですが、実際の会話では「アプリが動作しない」のように動詞を含む表現が使われます。そのため、自然な言い回しを採用することが望ましいです。

バリエーション

会話には多様な表現があり、同じ意味でも異なる言い方が使われます。そのため、トリガーフレーズにも十分なバリエーションを持たせることが重要です。

同義語

バリエーションを広げる 1 つの方法は、同義語に含めることです。 たとえば、自動車事故の保険請求があるたびにカードをトリガーさせたい場合は、「自動車事故」というトリガーフレーズを設定できます。

ただし、上記のフレーズだけを含めると、他の関連する場面ではカードがトリガーされません。例えば、次のようなケースを見逃します:

  • 交通事故

  • 衝突

言い換え

同じ内容でも、文の構成が異なる場合があります。例えば、次のトリガーフレーズを考えます:

  • 準備ができたら連絡してください

これに対応する言い換え:

  • 準備できましたらお電話ください

  • 準備できたましたらお知らせください

  • ご準備が整いましたらご連絡ください

このように、動詞などを変えた複数の表現を登録することで、より多くの文脈をカバーできます。

検証と改善

ライブコーチカードとカスタムモーメントを公開した後は、その効果を確認・評価し、製品や運用プロセスの変更に合わせてカードを改善・更新することが重要です。

ライブコーチカードとカスタムモーメントを検証する際には、以下の点を考慮してください:

  • 担当者は実際にこのカードを活用していますか?

  • 担当者はカードに記載された手順やスクリプトに従っていますか?

  • 最も頻繁にトリガーされているカードは、実際に行動変化につながっていますか?

  • 特定のカードがトリガーされる回数が多すぎませんか?

  • あまりトリガーされていないカードはまだ必要ですか?

既存カードを改善する際に、以下の点を考慮してください:

  • トリガーが頻繁しすぎるカードを改善するにはどうすれば良いですか?

    • トリガーフレーズを長くする、またはより具体的な表現に変更できますか?

  • ほとんどトリガーされないカードを改善するにはどうすれば良いですか?

    • トリガーフレーズを一般化、短縮する、または追加してカバー範囲を広げることができますか?

  • 既存カードのトリガーフレーズの範囲を広げることで、知識のギャップを埋められる可能性はありますか?

    • あるいは、新しいギャップにに対応するために、新しいカードを作成する方が効果的ですか?